素敵な宇宙船地球号

さっき見ていたら,心に残るフレーズが出てきました.

「蝶の谷として有名になるにつれ,谷から蝶が減っていく.」

ナウシカを思い出したのです.

ナウシカは清浄な地を見ましたが,誰にも語ることはありませんでした.人間の手によってまた不浄な地となることをナウシカは知っていたからです.

それに加え,理想郷は,人が踏み入れることすら適わない地であったわけです.理想郷が人を拒む.あれは,宮崎駿による痛烈な皮肉だったのかもしれません.

先ほどの蝶の話ですが,保護官のアマンさんが語っていました.300種いた蝶は,詳しくは覚えていませんが,かなり減ったらしいです.密猟者もそうですが,地元の人が捕るようになったそうです.売って金を得るためです.地元の人は食べるのにも困る人たちがいる,だから捕るのだそうです.

それまでは日常だった光景が,理想郷として知れ渡った途端に壊れ始める.一番よく親しんだ人たちが壊し始める.なぜか壊さなくては生きていけなくなる.

理想郷とか,桃源郷とか.寂しい言葉ですね.