拒否権の不思議

最近世間をにぎわせている北朝鮮ですが,それ関係のニュースを見ていると「拒否権」「拒否権」というなぞの権利がよく聞かれますが,拒否権って何でしょう?

Wikipedia-拒否権より,

国連安全保障理事会では、実質事項について決議が有効となるには、理事国15ヶ国のうち、常任理事国全てを含む過半数の賛成を要する。大国の反対により理事会決定の実効性が失われることを防ぐ事(大国一致の原則)を趣旨とするものであるが、逆に常任理事国一国の反対で理事会において決議案が否決される事も多々あるため、大国のエゴを通すためだけの規定との批判もある。2006年4月現在アメリカ合衆国、イギリス、中国、フランス、ロシアの5ヶ国に与えられている。

大国一致の原則というのが絡んでいるようですが,これもはじめて聞く単語ですね.調べてみると,国立国会図書館にそれらしき文章(PDF)がありました.ここによると,

このような任務を迅速に遂行するために、安保理の表決手続には、国際連盟理事会の全会一致制度に代えて、多数決制度が採用されることとなった。しかし、安保理の決定には、その実施に重要な役割を果たすこととなる5大国の支持を得ることが重要である。特に軍事的措置の場合は、5大国の支持が得られなければ、そのような措置を効果的に実施することは不可能といえる。そこで、5大国に常任理事国の地位とともに拒否権を与え、安保理の表決手続には、大国の一致と協力を前提とする仕組みが作られた(大国一致の原則)。しかし、冷戦期はすべての常任理事国による一致した結論が導き出されることはほとんどなく、国連の集団的安全保障制度は十分に機能することができなかった。

大国一致の原理とは,要するに「拒否権と常任理事国の地位をあげるから,しかるべきときにはみんなで一丸となって戦ってね」という意味みたいですね.

しかしまた,これは無謀な制度です.戦ってほしい人に拒否権を与えるのはまぁいいとしても,全国一致しなければどの一国も戦えなくなるってことは,常任理事国同士の利害が絡む問題に対しては絶対に国連が手出しできないということで,本末転倒に近い形になってるじゃないですか.

骨董品のような制度といわざるをえないですね.

というか,日本って常任理事国入りしたら,上記の原則で言うと戦争に絶対参加しないといけない状況になりそうなんですが

兵器を持っても専守防衛に努めれば合憲だとしてきた日本ですが,国連の常任理事国入りって実は違憲なんじゃぁ……

日本政府はどう考えているんでしょうね?? しかるべきときにも絶対軍隊は出さないということでしょうか?

最近の北朝鮮関連ニュースから派生した考察でした.